フコイダンがん治療netTOP >  悪性リンパ腫/悪性黒色腫(メラノーマ)

悪性リンパ腫/悪性黒色腫(メラノーマ)

悪性リンパ腫悪性黒色腫(メラノーマ)

【1】悪性リンパ腫についての一般的な知識

悪性リンパ腫

悪性リンパ腫は、リンパ系の組織から発生する腫瘍(いわゆる“がん”)です。リンパ系組織とは、ヒトの免疫システムを構成するもので、リンパ節、胸腺(きょうせん)、脾臓(ひぞう)、扁桃腺(へんとうせん)等の組織・臓器と、リンパ節をつなぐリンパ管、そしてその中を流れるリンパ液からなります。

リンパ系組織を構成する主な細胞は、リンパ球と呼ばれる白血球です。リンパ液の中には液体成分とリンパ球が流れていて、やがて血液と合流します。リンパ系組織は全身に分布しているため、悪性リンパ腫、特に非ホジキンリンパ腫は全身で発生する可能性があります。

2.悪性リンパ腫の種類

悪性リンパ腫という病名は、さまざまなリンパ系組織のがんを大きくまとめて呼ぶ名前で、その中に含まれる個々の疾患の臨床経過や治療反応性、あるいは予後は大きく異なります。ですから、自分にとって最適な治療を選択するためには、「悪性リンパ腫の中のどのような病型(タイプ)ですか?」と、まずは医師に質問することが重要です。

(1)病理組織学的分類
悪性リンパ腫には、大きく分けてホジキンリンパ腫と非ホジキンリンパ腫の2つがあります。ホジキンリンパ腫は日本では少なく、約10%です。非ホジキンリンパ腫はリンパ腫の顔つき、すなわち顕微鏡でわかる形態学的特徴(病理学的分類といいます)、細胞系質的特徴(“B細胞性、T細胞性、NK細胞性”)、そして染色体・遺伝子情報などをもとに分類されます。それが腫瘍細胞の悪性度とその後の臨床経過、予後を推定し、治療法を選択するために大変重要です。

(2)進行のスピードによる分類
非ホジキンリンパ腫は、発症してからの病気の進行速度によって分けることができます。進行のスピードによる分類は、「診断された病気を、治療しないで放置した場合に推測される予後」と言い換えることもできます。一方、上記の「病理学的分類」は、それぞれのがんの顔の特徴をつかまえているといえるでしょう。それぞれの患者さんに適した治療法を決めるうえで、両者を組み合わせることが重要であると考えられています。進行のスピードが速いタイプを高悪性度、ゆっくりなタイプを低悪性度と分類しますが、強力な化学療法や造血幹細胞(ぞうけつかんさいぼう)移植などの進歩した現在においては、高悪性度とされるリンパ芽球性(がきゅうせい)リンパ腫やバーキットリンパ腫も根治が期待できます。

3.悪性リンパ腫の症状

首、腋(わき)の下、足のつけ根などのリンパ節の多い部位に、痛みを伴わないしこりが触れるなどの症状がよくみられます。全身的な症状として、発熱、体重の減少、盗汗(顕著な寝汗)を伴うことがあり、これらの3つの症状を「B症状」といい、特に重要視されています。体のかゆみを伴うこともあります。その他、皮膚の発疹(ほっしん)、しこり、いろいろな場所の痛みで気づくこともあります。

4.悪性リンパ腫の診断

悪性リンパ腫の診断に用いられる検査には、以下のようなものがあります。

(1)リンパ節生検
大きくなっているリンパ節のすべて、あるいは一部を、いろいろな検査に用いるために局所麻酔を行って採取します。採取された組織は、病理医が顕微鏡で腫瘍の顔つきを調べて、病理学的分類を行うのに用いられます。また組織の一部は、診断に重要な染色体検査や遺伝子検査にも使われることがあります。遺伝子検査といっても、親から子へ遺伝する病気の有無について調べるものではなく、がん細胞が持っている特有の遺伝子の異常を調べるものです。診断ばかりでなく、治療の手がかりとしても非常に重要です。これらの検査によって、リンパ腫の病型(タイプ)が決定されます。

(2)病気の拡がりをみる検査
悪性リンパ腫に対する最適な治療を選択するために、病気が体のどこに、どれくらい広がっているかを知ることが大変重要です。病気の状態が進んでいるかどうかは、予後に大きく影響します。

(3)全身状態と、原因となるウイルスをみる検査
悪性リンパ腫の中には、ウイルス感染を契機に発生するものがあります。このため、さまざまなウイルスの感染状況を調べることも重要になります。

(4)病気の拡がりや勢い、治療効果を反映する検査
血液検査項目の、乳酸脱水素酵素(LDH)、C反応性蛋白(CRP)、可溶性インターロイキン‐2(IL-2)受容体をチェックすることが重要です。

【2】悪性リンパ腫の標準的治療

1.治療の選択肢

治癒を目指した治療を行う場合、まず完全寛解(かんぜんかんかい)という状態を目指します。完全寛解とは、治療前に腫(は)れていたリンパ節や、CTなどで指摘されていた病変が小さくなって消失するか、あるいは正常の大きさになり、発病前と同じ状態になることを指します。完全寛解が得られた後に予定どおりの治療を行って、治療終了後、経過をみていても再発しない場合を治癒といいます。およそ5年間の観察期間が必要であると考えられています。
悪性リンパ腫の治療法には次のようなものがあります。

(1)放射線療法
放射線療法は、高エネルギーのX線を病気のある部位に照射して、腫瘍に対する殺細胞効果を期待する治療です。照射した部位に対してのみ効果が期待できます。

(2)化学療法
抗がん剤を経口(内服薬)、あるいは静脈内投与することによって、腫瘍の殺細胞効果・増殖抑制効果を期待する治療です。腫瘍があることがわかっている場所に効果があるばかりでなく、診察や画像診断ではわからない微小な病変部位に対しても効果が期待できます。

(3)生物学的製剤
最近よく使われる薬がリツキサンです。CD20という、成熟B細胞の性格を示す悪性リンパ腫に効果があります。抗体に放射性同位元素を結合したものも開発され、海外では再発・難治性の低悪性度群リンパ腫に効果が認められています。日本でも承認申請が出されています。

(4)経過観察(注意深い観察)
ゆっくり進行型のリンパ腫の場合、全く無症状で何年も経過することがあります。化学療法を行うメリットがないと判断される場合には定期的に診察を続け、何か症状が出たときにはじめて治療を行うという選択です。

(5)造血幹細胞移植
標準的な化学療法だけでは再発の可能性が高い場合に、大量の抗がん剤を使用することで治癒を期待する治療法です。
以下に大まかな治療指針について概説しますが、冒頭でも述べたように、病気のタイプと進行度、予後不良因子の有無、そして初発か再発かなどによって最も適切な治療が選択されます。十分に担当医師と話し合う必要があります。それぞれの病気に対する治療については他項で詳しく記していますが、ここではその概略を示します。

2.ホジキンリンパ腫の治療方針

ホジキンリンパ腫には大きく分けて下記の2つのタイプがあり、(1)のほうがゆっくり進行型で、臨床病期が早い段階で病気が発見されることが知られています。したがって、同じ臨床病期が早い患者さんでも、(1)か(2)によって放射線療法と化学療法のどちらが主体になるか若干異なります。

(1)結節性リンパ球優位性ホジキンリンパ腫(Nodular Lymphocyte Predominant Hodgkin Lymphoma)
(2)古典的ホジキンリンパ腫(Classical Hodgkin Lymphoma)

1.限局期(臨床病期IあるいはII)の場合
病理組織学的分類が(1)で、全身症状(B症状:発熱、体重減少、夜間寝汗)がなければ放射線療法が基本となります。B症状を伴うか、あるいは病理組織学的分類が(2)の場合には、化学療法と放射線療法を組み合わせる方針を採ることが原則となります。

2.進行期(臨床病期IIIあるいはIV)の場合
病組織学的分類にかかわらず、化学療法が主となります。発症時に非常に大きな腫瘤(しゅりゅう)があった場合や、化学療法後に腫瘤が残存した場合には、放射線療法が追加されることがあります。ホジキンリンパ腫に対する代表的な化学療法は、ABVD療法です。

3.非ホジキンリンパ腫の治療方針

(1)低悪性度群リンパ腫
濾胞性リンパ腫やMALT(マルト)リンパ腫の臨床病期IあるいはIIの限局期の場合には、原則として放射線療法が行われます。病期IIといっても発症場所が複数あり、かなり距離が離れている場合には進行期と同じ対応となることがあります。臨床病期IIIおよびIVの場合には、経過観察、化学療法、抗CD20モノクローナル抗体(リツキサンなど)、圧迫症状を呈する部位への放射線療法等の選択肢があります。また最近は、濾胞性リンパ腫の予後因子であるFLIPIを用いて治療方針を決めることも多くなってきています。

研究的治療として造血幹細胞移植が行われることがあります。研究的治療というとマイナスのイメージを持たれる方もいるかもしれませんが、何が有望な治療法であるかを確かめるためには非常に重要な方法です。

これまで長年、多くの患者さんたちに行われて治療成績のエビデンス(証拠)が出ているものを、標準的治療ということができます。これに対して研究的治療の多くは、標準的治療で良くならない患者さんに対する、より有効な治療として計画されたものです。新規の治療であるため、現時点ではエビデンスがないということから「研究的治療」といわれます。

(2)中悪性度群リンパ腫
びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫が代表的な疾患です。臨床病期IおよびIIのときには化学療法単独か、化学療法と放射線療法の併用が行われます。臨床病期IIIおよびIVでは化学療法が主体となります。代表的な化学療法はCHOP(チョップ)療法です。最近では、CHOP療法などの化学療法にリツキサンが併用されることが多くなっています。国際予後因子(IPI)で高中危険群以上の予後不良であることが推測されるときには、初回寛解中に自家末梢血幹細胞移植を行うことで予後が改善されることを示唆する報告がありますが、まだ結論は出ていません。

(3)高悪性度群リンパ腫
リンパ芽球型リンパ腫は、急性リンパ性白血病とほぼ同じ化学療法が行われます。中枢神経浸潤を来す可能性が高いので、化学療法剤の髄腔(ずいくう)内投与が予防的に行われます。バーキットリンパ腫には有効な化学療法が開発されています。予後不良であることが予測されるときには、造血幹細胞移植を選択することもあります。

癌フコイダン療法の資料請求

癌フコイダン療法の資料請求

【1】悪性黒色腫とは

1.悪性黒色腫の発生

皮膚に発生する皮膚がん(皮膚悪性腫瘍)はいろいろな種類がありますが、悪性黒色腫はその中のひとつで、最も悪性度が高いと恐れられています。皮膚の色と関係するメラニン色素を産生する皮膚の細胞をメラノサイトと呼び、悪性黒色腫はこのメラノサイト、あるいは母斑細胞(ぼはんさいぼう:ほくろの細胞)が悪性化した腫瘍と考えられ、単に黒色腫またはメラノーマと呼ばれることもあります。

2.悪性黒色腫の統計

悪性黒色腫は悪性度が非常に高いがんです。

発生部位は足底(足のうら)が最も多く、体幹、顔面、爪が続きます。どこの皮膚にも発生しますが、ふだんあまり気にしない足底に最も多いことは注意すべき点です。その他、悪性黒色腫は皮膚だけでなく、頻度はあまり多くありませんが粘膜にも発生することがあります。

3.悪性黒色腫の原因と予防

悪性黒色腫の発生原因は不明ですが、白色人種の発生率が有色人種よりも数倍高く、紫外線の強い地域に住む白色人種の発生率がさらに高いという報告もあり、紫外線が関係している可能性があります。また、白色人種では家族内で発生したり、数ヶ所の皮膚に多発したりする家系が報告されており、遺伝的に悪性黒色腫が発生しやすい家系があると考えられていますが、わが国では今のところそのような家系は明らかではありません。わが国では、足底や爪部などふだん慢性的に刺激を受けやすい部位、あるいは衣類などですれる部位や外傷を受けた部位などに発生が多くみられることより、外的刺激も危険因子のひとつと考えられています。

私たちは白色人種に比べて紫外線に抵抗力がありますが、過度な日焼けは避けたほうが無難であると思われます。また、ほくろと思われるしみに対して、自分で針を刺したり、焼いたりしてとろうとすることは絶対によくありません。ほくろを刺激しないように心がけるべきです。さらに、成人後出現したほくろが次第に大きくなったり、色が濃くなったりしてきた場合は、早めにお近くの皮膚科を受診して下さい。

4.悪性黒色腫の早期発見

ほくろの細胞(母斑細胞)またはメラノサイトが悪性化し、悪性黒色腫になる一歩手前の状態が存在し、悪性黒色腫前駆症と呼ばれています。この前駆症の状態ないしは早期の悪性黒色腫の状態で発見することが最も重要です。

悪性黒色腫の治療は早期に発見し、早期に手術によって大きく完全に切除することが第一です。皮膚は身体の表面にありますので、注意すれば自分もしくは家族により悪性黒色腫を早期に発見することが可能です。しかしながら、早期の場合には、普通のほくろと悪性黒色腫を区別することは非常に難しく、少しでもおかしいと思われるほくろがあった場合は自己判断せずに、まず皮膚科専門医を受診することが、早期発見につながります。特に生まれつきではなく、途中からできたほくろで急速に大きくなり、直径5mm以上になったものは要注意です。悪性黒色腫を放置すると、早期に所属リンパ節(最初に発生した部位から一番近いリンパ節)に転移することが多く、さらには肺、肝臓、脳など重要な臓器に転移してしまいます。悪性黒色腫は全身どこの臓器にも転移します。進行した悪性黒色腫に対しては、外科療法の他、抗がん剤による化学療法、リンパ球などを使った免疫療法、および放射線療法などいろいろな手段を組み合わせた集学的治療が行われます。

【2】悪性黒色腫の皮膚症状

悪性黒色腫

悪性黒色腫の臨床症状は非常に複雑で多彩ですが、大きく4つのグループ(病型)に分けられています。まず、悪性黒色腫の前駆症および早期の症状について説明し、次に悪性黒色腫の4つの病型について説明します。

1.悪性黒色腫の前駆症および早期の症状

比較的短期間(約1~2年以内)に次のような変化があれば、要注意です。

(1)色の変化
一般に薄い褐色が濃い黒色に変化する場合が多くあります。また、色調に濃淡が生じて茶褐色、青色などが相混じったり、一部色が抜けてまだらになることもあります。

(2)大きさの変化
1~2年以内の経過で、直径2~3mm程度の色素斑が5~6mm以上になった時は注意すべきです。短期間に目立って大きくなるものは要注意です。

(3)形の変化
色素斑の辺縁が、ぎざぎざに不整になったり、しみ出しが出現したりすることがあります。色素斑の一部に硬結や腫瘤(しゅりゅう:かたまりのできもの)が出現した場合は要注意です。

(4)かたさの変化
一般に、ほくろは均一なかたさをしていますが、その一部または全体がかたくなってくることがあります。

(5)爪の変化
爪にできる場合は他の皮膚と違い、爪に黒褐色の色素線条(縦のすじ)が出現し、半年~1年くらいの短期間に色調が濃くなって、すじの幅が拡大してきます。進行すると爪が割れたり、色素のしみ出しが出現することがあります。

2.悪性黒色腫の4病型とその症状

(1)悪性黒子型黒色腫
顔面、頸部、手背(しゅはい)など日光に照射されやすい露出部位に発生します。はじめ褐色~黒褐色の色素斑が出現し、この時は悪性黒子と呼ばれる前駆症の状態であり、経過はゆるやかで数年以上存在することがあります。やがて色調は濃黒色を混じ、次第に拡大し、さらに一部に硬結や腫瘤が出現してきて悪性黒色腫になります。一般に60歳以上の高齢者に発生することが多く、ゆるやかに成長するため、治療により治癒する確率が4病型のうちで最も高いといわれています。最近の全国アンケート集計では、この病型の占める割合は9.5%で、4病型のうちで最も少ないのですが、以前に比べ割合は増加傾向にあります。

(2)表在拡大型黒色腫
ほくろの細胞(母斑細胞)から発生すると考えられ、前駆症の状態を経て、全身どこにでも発生します。はじめわずかに隆起した色素斑からはじまることが多く、やがて表面が隆起し、表面および辺縁ともに不整となり、色調も褐色~黒褐色より一部濃黒色となり濃淡相混ずることが多くなります。一般に50歳代に発生することが最も多いのですが、子供~高齢者まで広い年齢層で発生します。比較的腫瘍の成長はゆるやかですが、悪性黒子型黒色腫より治癒する確率が低くなっています。最近の全国アンケート集計では、この病型の占める割合は15.7%で、4病型のうちで2番目に少ないのですが、この病型も以前に比べ割合は増加傾向にあります。

(3)結節型黒色腫
全身どこにでも発生し、ほとんど前駆症の状態をあらわさないで、はじめから急速に成長することが多い病型です。症状としては、はじめから立体構造をしていることが多く、山なり、半球状、有茎状(ゆうけいじょう:くびれのある結節状)などの形を示します。色調ははじめ褐色~黒褐色ですが、だんだんと全体的に濃黒色となったり、あるいは濃淡相混ずることになります。いろいろな年齢層に発生しますが、一般に40~50歳代に最も多く発生します。腫瘍の成長は速く、早期に深部に進行したり、転移したりすることが多く、最も悪性度が高い病型です。最近の全国アンケート集計におけるこの病型の占める割合は30.0%で、4病型のうちで2番目に多いのですが、この病型は以前に比べ割合はやや減少傾向にあります。

(4)末端黒子型黒色腫
わが国で最も多い病型であり、主に足底(足のうら)、手掌(手のひら)、手足の爪部に発生し、そのうちで足底に最も多い病型です。足底および手掌では、はじめ前駆症として褐色~黒褐色の色素斑が出現し、次第に色素斑の中央部を中心として黒色調が強くなり、その中央部に結節や腫瘤ができたり、潰瘍(かいよう)ができたりしてきます。爪部では、はじめ前駆症として爪に黒褐色の色素線条(縦のすじ)が出現し、半年~1年くらいの短期間に色調が濃くなって、すじの幅が拡大し、爪全体に拡がってきます。次に爪が割れたり、褐色~黒褐色の色素のしみ出しが爪の周辺の皮膚に出現したりすることがあります。さらに進行すると爪がとれ、爪の部位に結節や腫瘤ができたり、潰瘍ができたりします。いろいろな年齢層に発生しますが、一般に40~50歳代に最も多く発生します。腫瘍の成長は結節型黒色腫よりゆるやかで、前駆症や早期の状態で発見されることが可能であり、一般に結節型黒色腫より治癒する確率が高く、表在拡大型黒色腫より低いと考えられています。最近の全国アンケート集計では、この病型の占める割合は44.8%で、4病型のうち最も多く、以前に比べ割合はあまり変わっていません。

【3】診断

臨床症状の総合的な診断によることが多いのですが、診断の確定には腫瘍の標本の検査(病理組織検査)が必要です。しかし、わが国では悪性黒色腫の一部に直接メスを入れて病理組織検査(皮膚生検)を行うと、転移を誘発する可能性もあると考えられていて、やむをえない場合を除いて行われません。
臨床症状により診断が困難な場合は、手術で腫瘍全体を切除し、手術中にすぐできる病理組織検査(迅速組織検査)を行います。悪性と診断された場合には、さらに大きく切除することになります。腫瘍の表面がじくじくした状態の時は、その部分にスライドガラスを押し当てて採取した細胞の検査(細胞診検査)が診断の助けになったり、血液中の腫瘍マーカーと呼ばれる物質(悪性黒色腫の場合、5-S-シスチニールドーパという物質)の検査値が参考になったりすることもあります。リンパ節や内臓のほうへの転移を調べるためには、X線、CT、超音波、シンチグラム、MRI、PETなどの画像診断と呼ばれる検査が行われます。

【4】治療

1.外科療法

悪性黒色腫は他のがんと同様に早期発見、早期治療が最も重要なことです。
そして、早期発見時における治療の最大のポイントは手術による外科療法です。悪性黒色腫は、初発病巣の周囲に皮膚転移(衛星病巣)が数ヶ所発生することが多いという特徴をもっており、初発病巣のみを小切除して放置した場合、その周囲にかなり高い確率で腫瘍が再発します。また、わが国では、悪性黒色腫の一部に直接メスを入れて病理組織検査を行うと、転移を誘発することがあると考えられています。したがって最初の段階において、初発病巣辺縁より数cm大きい範囲で広範囲に切除手術を行うことが原則です。また、外来で腫瘍のみを小切除した後、診断確定された場合は、できるだけ早期に、広範囲に再手術したほうがよいとされています。

2.化学療法

抗がん剤による治療を化学療法と呼び、悪性黒色腫の場合は静脈内注射薬を数種類組み合わせて行われます。手術後、検査でとらえられないような微小な腫瘍細胞を殺して再発、転移を予防するために行われたり、内臓やリンパ節の転移巣を消滅させたりするために行われます。一般に1コースあたり、連日5日間抗がん剤の点滴静脈内注射が行われ、その後4~6週間休薬します。一般的に数コース繰り返し行われますが、何コース行われるかは病気の進行程度や治療効果に関係してきます。

3.放射線療法

一般に行われる放射線では効果が上がらないことが多く、速中性子線や重粒子線といわれる特別な放射線では効果を示すことがあります。しかし、このような治療はごく限られた施設でしか行うことができません。また、放射線に温熱療法(腫瘍細胞を42℃以上に暖めて殺す治療)を併用すると皮膚転移にかなり効果があります。

4.免疫療法

自分の身体の免疫という力を強力にすることによる治療を免疫療法といい、悪性黒色腫はこの免疫療法の効果が期待される腫瘍といわれています。しかし、いろいろな免疫力を上げる薬の効果が検討されていますが、正式に認可を受けた薬はありません。現在、免疫を担当する自分のリンパ球を薬を使って体外で増やし、再び自分の体内にもどす免疫療法を行っている施設もあります。 その他、インターフェロン(ヒトがつくり出す生理活性物質で、一部のがんやウイルスの増殖を抑制する作用が認められています)が皮膚転移に効果があることが認められています。悪性黒色腫の場合、皮膚転移以外に転移がみられない場合があり、その際直接皮膚転移に注射されたり、他の治療法と併用して行われたりします。

【5】病期(ステージ)

がんの進行程度を病期といい、悪性黒色腫は次のようにI~IV期の4つに分類されています。

I期 初発部位にのみ腫瘍を認め、転移を認めないもので、初発部位における腫瘍自体の厚さが1mm以下のもの、または厚さが1mmを超えていても腫瘍表面の潰瘍がなくて2mm以下のもの。
II期 初発部位にのみ腫瘍を認め、転移を認めないもので、初発部位における腫瘍自体の厚さが1mmを超えていて2mm以下であり、潰瘍を伴うもの、または潰瘍のあるなしにかかわらず、2mmを超えるもの。この中でも特に厚さ4mmを超えるものは要注意。
III期 次のいずれかが認められる場合
所属リンパ節(初発部位から最も近いリンパ節)に転移を認めるもの。
もしくは初発部位の周囲(衛星病巣と呼ぶ)、または初発部位から所属リンパ節までの間に皮膚転移や皮下転移を認めるもの。
IV期 所属リンパ節を越えた領域に皮膚転移、皮下転移、リンパ節転移を認めるもの、または内臓に転移を認めるもの。

【6】各病期(ステージ)別治療

I期 初発部位の腫瘍辺縁より1~2cm離して広汎切除手術が行われます。しかし、指などの場合、切断手術になることもあり、また部位によっては植皮手術を行う場合もあります。
II期 初発部位の腫瘍辺縁より2~3cm離して広汎切除手術を行い、しばしば植皮手術が行われます。予防的に所属リンパ節の郭清手術(リンパ節をすべてとりさること)、センチネルリンパ節生検が行われます。また、腫瘍の再発や転移を予防するために抗がん剤や、インターフェロンによる免疫療法が行われます。
III期 初発部位の腫瘍辺縁より2~3cm離して広汎切除手術を行い、所属リンパ節の郭清手術が行われます。皮膚転移や皮下転移に対しては大きめに切除したり、インターフェロンを注射したり、放射線を行ったりします。また、腫瘍の再発や転移を予防するために抗がん剤治療が行われます。治療後、腫瘍の再発や転移が発生する確率が高く、厳重に定期検査を行う必要があります。
IV期 病状により異なりますが、外科療法の他、抗がん剤による化学療法、リンパ球などを使った免疫療法、および放射線療法などいろいろな手段を組み合わせた集学的治療が行われます。
例えば、肺や脳転移に対して手術が可能な場合、積極的に切除を行い、術後強い抗がん剤治療が繰り返し行われます。しかしながら、手術が可能な場合は少なく、一般に強い抗がん剤治療が主体になります。皮膚転移や皮下転移に対してはIII期と同様の方法が行われ、やはり強い抗がん剤治療が繰り返し行われます。
現在のところ集学的治療を行い、寿命の延長ができても、治癒することは非常に難しいといえます。また最近は、新しい免疫療法が試みられようとしています。

【7】治療の副作用

1.外科療法

病変が皮膚の場合、美容的な問題が生じることがあります。切断手術を行った場合、患肢のしびれや痛みが残ることがあります。所属リンパ節をとった場合、患肢のはれ(浮腫)やしびれが残ることがあります。

2.化学療法

抗がん剤はがん細胞以外の正常細胞にも影響を与えるため、いろいろな副作用を生じます。その症状や程度は抗がん剤の種類や量、個人差などによって異なります。一般的には、白血球減少、血小板減少、貧血、吐き気、嘔吐、食欲不振、下痢、手足のしびれ、肝機能障害、腎機能障害、脱毛、倦怠感などです。抗がん剤を投与する場合は、このような副作用を軽減させるための処置が同時に行われます。

3.放射線療法

放射線照射部に一致して皮膚炎をおこすことがありますが、かゆみ止めや痛み止めの薬の内服や軟こうの外用により症状は軽減し、照射終了後時間とともに軽快します。

4.インターフェロン治療

発熱することがありますが、解熱剤により下げることができます。白血球減少、食欲不振、肝機能障害などが軽度生じることがあります。

癌フコイダン療法の資料請求

癌フコイダン療法の資料請求