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精巣がん(睾丸腫瘍)|前立腺がん

精巣がん(睾丸腫瘍)前立腺がん

【1】精巣(睾丸)腫瘍とは

精巣(睾丸)腫瘍

精巣は、男性ホルモンを分泌すると同時に、精子をつくり生殖を可能にする臓器です。
この2種類の機能を支える細胞は、同じ精巣にありながら別々のものです。男性ホルモンを産生するのは、ライディヒ細胞、他方、精子をつくるもとになるのは精母細胞と呼ばれています。精巣で造られた精子は、射精時に精巣上体精管をへて、前立腺部の尿道より射出されます。

精巣に発生する悪性腫瘍のほとんどは、この精母細胞から発生するもので胚細胞腫瘍とも呼ばれています。
精巣がんの確立したリスク要因は、停留精巣(乳幼児期に精巣が陰嚢(いんのう)内におさまっていない場合)の既往とされています。停留精巣を持つ男性の精巣がんリスクは、そうでない男性の2.5~11.4倍と報告されています。ホルモン要因と遺伝要因も重要な原因と考えられ、胎児期のエストロゲン曝露(ばくろ)、精巣がんの家族歴もリスク要因の候補として挙げられています。
精巣に発生する胚細胞腫瘍は、顕微鏡で観察した病理組織像により下記のように分類されます。

セミノーマ(精上皮腫) セミノーマの像からのみ成り立っている場合
非セミノーマ 次の中から、少なくとも1種類が構成成分の中に見られる場合
・胎児性がん
・卵黄嚢腫(らんおうのうしゅ)
・絨毛がん
・奇形腫

セミノーマと非セミノーマの分類は、その後の治療方針を決定する上で非常に重要です。
その理由は、セミノーマでは抗がん剤を投与する化学療法と放射線療法がともに有効です。
他方、非セミノーマは転移を起こしやすく、より悪性の経過をとり、化学療法は有効ですが、放射線療法は有効ではないからです。

年齢別にみた精巣がんの罹患(りかん)率は、20歳代後半から30歳代にかけてピークがあります。また、40歳未満の罹患は全罹患数の約3分の2を占めます。

組織学的分類では、胚細胞腫瘍(精母細胞から発生するもの)が全体の約95%を占め、そのうちセミノーマが約70%、胎児性がんと複合組織型がそれぞれ約10%、卵黄嚢腫、絨毛がん、および奇形腫がそれぞれ数%となっています。

【2】症状

多くの場合、痛みや発熱を伴わない陰嚢の腫大や、精巣のしこりに気づくことで発見されます。常に気をつけて精巣の大きさやかたさに注意していない限り、精巣内のしこりが小さい時期に自分で発見することは困難です。ときに、精巣を強打して、はじめてその腫大に気づくこともあります。

陰嚢内に硬いしこりが触れる場合、精巣上体(副睾丸)炎や精巣軸捻転などの病気が多いのですが、これらの疾患では多くの場合、痛みや発熱などの症状を伴うことが特徴です。また、無症状のままで陰嚢内にしこりを触れる特殊な場合として、結核菌による精巣上体(副睾丸)炎や陰嚢内に水がたまる陰嚢水腫などの疾患があります。

転移病巣による症状で発見されることもあります。例えば、腹部大動脈や大静脈の周囲のリンパ節が非常に大きくなった場合には、心窩部(しんかぶ:みぞおちのあたり)に硬い大きなしこりを触れたり、このしこりによる腰痛を訴えたりするようになります。腹痛や呼吸困難、首のリンパ腺の腫れ、体重減少、乳首の痛みや腫れなどもおこります。また、咳とともに血液が混じったりした痰が出たりすることもあります。

【3】診断

1.触診

ずしりとした重みの有る精巣を触れます。反体側の正常な精巣と比較すると、精巣上体ではなく精巣そのものにしこりや腫れが有ることを確認します。
腫瘍が小さく、精巣の一部を占めるだけの時には、触診でやわらかい精巣の中の硬いしこりとして触れます。
腫瘍が精巣内をほとんど占拠するようになると、精巣全体が硬いしこりとして触れます。精巣が全体にかたくなった時期では、左右の大きさの差、かたさの相違などから自己判断もできます。部屋を暗くして直接に陰嚢に光をあてて、どの程度、光線を通すか(透光性)を確認します。水が貯留した水腫では全体に明るく、光が通るのが見えます。

2.超音波検査

陰嚢内に水がたまっていて精巣そのものが触れにくい場合、精巣の腫瘍が小さい場合などにとても有効な検査です。超音波検査では、腫瘍か水腫かの判断もできます。

3.血液検査

精巣原発の胚細胞腫瘍の診断において、腫瘍マーカー(血液検査)の役割は非常に重要です。腫瘍マーカーとは、腫瘍細胞が産生する物質で、腫瘍の種類や量を知る目印になるものです。腫瘍マーカーには、αフェトプロテイン(AFP)、HCGあるいはHCG-β、ときにLDHなどがあり、この腫瘍マーカーの種類と存在する病理組織像の間には相関があります。そこで、腫瘍マーカーの数値により、病理組織が推定できるわけです。ただし、すべてのタイプの腫瘍が腫瘍マーカーを産生するわけではありません。セミノーマや奇形腫では、多くの場合腫瘍マーカーは上昇しません。

4.組織検査

精巣がんでは、前立腺がんのように手術前に組織検査をして診断を確定することは、転移を生じる恐れがあるため禁忌(きんき:避けること)です。

5.転移の有無

原発病巣の診断が確定したら、次に転移の有無に関する診断を開始します。精巣に発生した胚細胞腫瘍は、他臓器にみられる悪性腫瘍と同様に、原発臓器(精巣)にしばらく限局して増大し、やがて転移します。多くの場合、最初に転移するのは腹部大動脈周囲のリンパ節で、精巣からリンパ管を経由して転移します。次いで肺や横隔膜より上のリンパ節、さらに肝臓、脳などに転移します。腹部リンパ節転移や肝転移に対しては腹部CTや腹部超音波検査、ときにMRIなどが実施されます。肺転移に対しては、胸部単純撮影、胸部CTが実施されます。脳転移についてはMRIあるいは、脳CTが実施されます。

【4】病期(ステージ)

陰茎がんは以下の病期に分類されています。

I期 腫瘍が原発病巣に限局して存在しており、転移が無い場合をいいます。実際には、原発病巣である精巣摘出後に、各種の転移を検索する検査で異常を認めず、かつ腫瘍マーカーの上昇があった場合には、この数値が精巣摘出後に順調に低下し、正常化した場合をI期としています
II期 横隔膜以下のリンパ節転移、つまり腹部大動脈、大静脈周囲のリンパ節だけに転移している状態をII期と定義しています。このII期を、さらにリンパ節のサイズにより、小さい時をIIa期、大きい時をIIb期と細分類しています。
III期 転移が横隔膜以上のリンパ節にまで認めれた場合をIIIa期、肺に認められた場合をIIIb期、さらに肝や脳などの肺以外にも転移が認められた場合をIIIc期としています。
IV期 がんがさらに広範に浸潤し、頭の中(頭蓋内)、脳神経、眼窩、下咽頭などへ拡がる、頸部リンパ節転移が6cmを超えるか、転移が鎖骨上までおよぶ、遠隔転移を認めるといった状態。

この病期分類は、がんの進行にしたがって定義されたもので、治療方針を考える上で極めて実際的なものです。

【5】病期(ステージ)別治療

悪性腫瘍が疑われた場合には、この腫瘍は非常に速く増殖し、転移しやすいという特徴がありますので、診断の意味も込めて直ちに精巣を摘出する手術をします。もし、転移がなければ原発病巣を摘出するだけで根治したことになります。

I期

まず高位精巣摘除術を行います。高位精巣摘除術とは、陰嚢ではなく足の付け根の鼠径部を切開し、精巣に向かう血管をまず結紮し、がん細胞が手術操作によって散らばらないようにしてから、精巣、精巣上体、精索を一塊として摘出します。
精巣摘出後、通常はそのまま何もしないで観察します。CTなどで転移がないとされても1~2割では目に見えない転移がすでにあって、そのような場合は1~2年以内に大きくなって再発として認識されるようになります。そのため転移の出現を予防するための治療を追加することもあります。予防的治療を追加しない場合は術後1~2年の間は毎月のマーカーチェックと3ヶ月に1回のCT、あるいは腹部超音波検査で細かく経過観察することで早期発見早期治療をすれば再発症例でも根治率がほぼ100%と良好です。
I期の場合、最終的な成績は良好で、ほとんどの症例で根治が期待されます。

IIa期

腹部大血管周囲のリンパ節転移のサイズが小さい場合では、病理組織像によって方針が異なります。

1.セミノーマ
転移が一度確認された時には、すでに病気が全身に拡がっている可能性も考慮して、多くは抗がん剤による全身的化学療法(次項「非セミノーマ」を参照)が選択されます。セミノーマでは、放射線療法が有効であること、比較的に肺、肝、脳転移などの血行性転移が少ないことから、局所療法ではありますが、放射線療法のみでも十分に根治が期待され、放射線療法のみで終了することも可能です。

いずれの治療法でも80~90%の根治が可能ですが、放射線療法のみではやや成績が劣り、また放射線治療により10年、20年後に他の臓器のがんが発生(二次的消化器悪性腫瘍の発生)する頻度が少し高くなるという報告もあり、現在では化学療法を第一選択にされることが多いようです。

2~4コースの化学療法により、CT上腫瘍が消失し血液検査でのマーカーの値が正常化すれば治療は一段落します。この時点で10%ぐらいに生き残りがあり再発することがありますが、セミノーマの場合、化学療法がよく効くので早期に発見できればまずは再び化学療法で対応しても高い確率で根治が得られます。そのためそのまま病期I期のように経過観察することも可能です。

2.非セミノーマ
非セミノーマでは放射線療法があまり効かないので、抗がん剤による化学療法が第一選択となります。 シスプラチンという抗がん剤の登場で治療成績が飛躍的に向上し、約70~80%の症例で外科療法との併用で根治が期待されるまでになっています。抗がん剤は、シスプラチン、エトポシド、及びブレオマイシンの3剤を併用したBEP療法か、シスプラチン、エトポシドの2剤を併用したEP療法を行うことが、一般的に第一選択となっています。

約20~40%を占める奇形腫は、抗がん剤では死滅しないので画像上残ります。そのため、化学療法の目標は、マーカーがあればその正常化、なければ画像上の縮小が認められなくなること、ということになります。マーカーの正常化が得られて画像上残っているものは奇形腫と考えられ、手術で摘出するしかありません。

加えて、化学療法後CT上腫瘍が消失し血液検査でのマーカーの値が正常化しても20%に奇形腫以外の悪性細胞が残ります。生き残った悪性細胞は再発時に化学療法抵抗性であることが多く、根治を得る確率が低下します。そのため、マーカーが正常化すれば、転移があったとされる範囲は手術によりきれいに郭清(かくせい:摘出手術により掃除)すること(これを、後腹膜リンパ節郭清術といいます)が安全策として勧められています。

IIb期以上、III期

病期が進行すると病理組織像によらず、セミノーマでも非セミノーマステージIIaのように化学療法が選択されます。

なぜなら、転移腫瘍のサイズが大きくなると放射線治療、化学療法のみでは画像上消失しないで、郭清術を必要とすることが多く、放射線治療はその後の手術を困難にするため、セミノーマであっても手術のことも考慮してまずは化学療法が選択されるからです。初期化学療法の方法はステージIIaと同じです。化学療法の目標は画像上腫瘍の縮小が止まるか、マーカーがあればマーカーの正常化で、その後可能な限り初期病巣をすべて郭清することがすすめられています。IIIb期やIIIc期では初期病巣をすべて切除することが不可能な場合が多く、半分近くのケースで長期の予後不良です。

転移のある精巣腫瘍の中で2~3割では、2~4コースの初期化学療法だけではマーカーの正常化が得られないこともあります。

その場合には一般的にはエトポシド、イフォマイド、及びシスプラチンの3剤併用のVIP療法が次の手段になります。VIP療法を2~3コース施行しても不十分な場合、その次の手段として確立したよい方法は残念ながら現在のところありません。マーカーが正常化していなくてもかなりのところまで下がっていれば手術による郭清術を試す考えもないことはありませんが、原則的にはマーカーの正常化が得られていない場合、全身に拡がっている目に見えない生きた悪性細胞があるものと考えられ、(局所療法である)郭清術による根治は期待できません。

【6】治療の副作用

1.抗がん剤の副作用

抗がん剤の副作用は、投与直後の短期的副作用と長期的副作用に分けて考えられます。

(1)短期的副作用
食欲不振、嘔気・嘔吐などの消化器症状と、腎機能障害、耳鳴り、難聴、手指末端の知覚障害などの末梢神経障害、白血球数や血小板数の低下(骨髄抑制)や脱毛などがあります。以前はこの副作用のために投与が難しいとされてきましたが、大量の補液で尿量を多くしたり、制吐剤の投与などで十分に安全に行えるようになっています。

(2)長期的副作用
慢性腎機能障害、末梢神経障害は永久に残ることがあります。しかし、副作用を軽減する処置を徹底することで、かなり予防することが可能です。その他、二次的腫瘍(腎腫瘍、白血病)の報告もありますが、その確率は非常に低いものです。また、残った精巣における造精機能に障害をきたし、男性不妊症の原因となります。

2.放射線療法の副作用

先に述べましたように精巣腫瘍では現在放射線治療をすることはあまりありません。
セミノーマに対して実施される放射線療法では、その総照射量は多い量ではありません。腹部大血管周囲のリンパ節に照射した場合でも、副作用はあまり重篤ではありません。照射中の全身倦怠感、食思不振、下痢、微熱なども一時的なものです。長期的副作用として、二次的消化器悪性腫瘍の発生などが報告されていますが、その頻度は高くはありません。

3.その他の副作用

腹部大血管周囲のリンパ節(後腹膜リンパ節)郭清術を施行した場合には、その後に射精障害がおこることがあります。射精障害は、射精した時の感じに変化はありませんが、精液が出なくなったり、逆行性射精といって、精液が膀胱の中へ逆流するようになったりします。

これは、男性不妊症の原因となり、この疾患が若年者に多いため重大な問題となります。手術の範囲によって状況が異なり、必ず発生するとは限りませんし、その程度にも差異はあります。病気の拡がりによっては、射精機能を残すような神経温存手術も可能ですが、病気の根治との兼ね合いで手術前に十分話し合いをする必要があります。

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【1】前立腺がんとは

前立腺がん

前立腺は男性にだけあり、精液の一部をつくる臓器です。前立腺は、恥骨(ちこつ)の裏側に位置し、尿道を取り巻いており、栗の実のような形をしています。
この前立腺にがんが発生する病気が前立腺がんです。

1.前立腺がんの発生

前立腺がんは、前立腺の細胞が正常の細胞増殖機能を失い、無秩序に自己増殖することにより発生します。最近、遺伝子の異常が原因といわれていますが、正常細胞がなぜがん化するのかまだ十分に解明されていないのが現状です。前立腺がんが発生してから症状を呈するがんに育つまでには30~40年かかるといわれています。
前立腺がんが、よく転移する臓器としてリンパ節と骨があげられます。

2.前立腺がんの原因

前立腺がんの確立したリスク要因は、年齢、人種、前立腺がん家族歴とされています。動物実験などから、アンドロゲンが前立腺がん発生に重要な役割を果たしているのではないかと考えられてきましたが、現在のところ、疫学研究ではこの仮説に一致する結果は得られていません。最近では、IGF-1によってリスクが高くなる可能性が指摘されています。
食事・栄養素に関しても、現状では確立された要因はありませんが、リスク要因として脂質、乳製品、カルシウム、予防要因として野菜・果物、カロテノイド、ビタミンE、セレン、ビタミンD、イソフラボンなどが候補に挙げられています。

【2】症状

他のがんと同じように早期の前立腺がんに特有の症状はありません。あるとしてもその多くは前立腺肥大症に伴う症状です。具体的には排尿困難、頻尿、残尿感、夜間多尿、尿意切迫、下腹部不快感などです。このような症状があり、たまたま病院を受診した際に前立腺がんの検診が併せて施行され、検査の結果、前立腺がんが発見されることがほとんどです。また前立腺がんが進行しても転移がない場合の症状は前立腺肥大症と大差はありません。
前立腺がんは進行すると骨に転移しやすいがんです。前立腺自体の症状はなく、たまたま腰痛などで骨の検査を受け、前立腺がんが発見されることもあります。

【3】診断

1.PSA検査

前立腺がんの診断に関して、最も重要なのは前立腺特異抗原(PSA)とよばれる腫瘍マーカーの採血です。PSAはとても敏感な腫瘍マーカーであり、基本的に前立腺の異常のみを検知します。PSA値の測定は前立腺がんの早期発見に必須の項目です。ただPSA値が異常であれば、そのすべてががんになるというわけではありませんし、逆にPSA値が正常の場合でも前立腺がんが発生していないということにもなりません。あくまで、前立腺がんを発見するきっかけとなるひとつの指標です。

2.直腸診と超音波検査

肛門から指を挿入して前立腺の状態を確認する直腸診、あるいは肛門から専用の超音波器具を挿入する経直腸的前立腺超音波を行い前立腺がんの疑いがあるか検討します。

3.生検

PSA値あるいは直腸診、超音波検査により前立腺がんの疑いがある場合、年齢も考慮しながら最終的な診断を行うために前立腺生検が実施されます。
検査方法としては、直腸などから前立腺に針を刺し込み、前立腺の組織を採取します。
近年では、より正確にがん細胞を採取するため、直腸に超音波を発生する針を入れ、超音波画像で確認しながら、組織を採取する方法がとられています。

4.グリーソンスコアー

顕微鏡検査で前立腺がんと診断された場合、前立腺がんは腫瘍の悪性度をグリーソンスコアーとよばれる病理学上の分類を使用して表現します。これはがんの悪性度を5段階に評価するものです。「1」が最もおとなしいがんで、「5」が最も悪いがんを意味します。前立腺がんの多くは、複数の、悪性度の異なる成分を有しているため、最も多い成分と次に多い成分を足し算してスコアー化します。

5.画像診断

前立腺がんと診断された場合、病気の拡がりを確認するため、CT、あるいはMRI、骨シンチグラムが施行されます。これらにより局所での進行の程度、リンパ節転移、あるいは骨転移の有無を確認します。
CTはリンパ節転移やがんの周辺への進展の有無を確認するために施行されます。MRIでは前立腺内でがんが存在している場所や前立腺内にがんがとどまっているか、あるいは前立腺外への進展がないか、精嚢への浸潤がないか、など特に治療として手術療法が考慮される場合には有用な情報が得られます。
骨シンチでは骨に異常がある場合には集積が強く描出されます。集積の度合いやそのかたよりなどにより骨転移があるかどうかを判定します。

【4】病期(ステ-ジ)

前立腺がんと確定診断された後は、がんがどこまで拡がっているかをみるため腹部、骨盤部のCTやMRIを施行します。また、前立腺がんの転移部位として最も多いのは骨であり、骨転移を調べるために骨シンチグラムと骨の単純X線撮影を施行します。これにより臨床病期を決定します。前立腺がんの臨床病期はTNM分類により、原発巣の拡がりや深達度をT、所属リンパ節転移をN、遠隔転移をMで表しています。大きく分けると以下の通りですが、更に細分化されますので、医師に確認が必要です。

T 原発腫瘍

T 1 触知不能、または画像では診断不可能な臨床的に明らかでない腫瘍  
T 2 前立腺に限局する腫瘍  
T 3 前立腺被膜を越えて進展する腫瘍
T 4 精嚢以外の隣接組織に固定、または浸潤する腫瘍

N 所属リンパ節

N 0 所属リンパ節転移なし  
N 1 所属リンパ節転移あり  

M 遠隔転移

M 0 遠隔転移なし  
M 1 遠隔転移あり  

【5】治療と副作用

前立腺がんの治療法には、「手術療法」、「放射線治療」、「内分泌療法」、さらには特別な治療を実施せず、当面経過観察する「待機療法」があります。前立腺がんの治療を考えるうえで大切なポイントは発見時のPSA値、腫瘍の悪性度(グリーソンスコアー)、病期診断、比較的進行がゆっくりしているがんであることから、ご本人の年齢と期待余命、最終的にはご自身の病気に対する考え方などによります。前立腺がんの正確な病期診断には限界があるため、グリーソンスコアーや治療前のPSA値なども参考にしながら治療法が考えられています。

1.手術療法

前立腺がんの根治が期待できる最も有効な手段は、がん組織およびがんが疑われる部位をすべて摘出することです。つまり、前立腺をすべて摘出することになりますが、この前立腺全摘手術はすべての患者が受けられるわけではありません。前立腺の摘出手術は、「がんが前立腺内にとどまっている状態」の患者に限られます。

(1) 前立腺全摘手術
前立腺がんの発見が早期であり、がんが前立腺にとどまっている場合には開腹による前立腺全摘手術が行われます。開腹といっても腹膜にメスを入れるわけではなく、恥骨上部からメスを入れる恥骨後式と、精巣と肛門の間からメスを入れる会陰式の二通りがあります。

この手術の後遺症として勃起障害が起こる可能性があります。これは前立腺の周辺に勃起に関わる神経があるため、手術の際に神経が傷ついて起こるものです。また、手術の際に尿道括約筋(にょうどうかつやくきん)が傷つくと尿失禁が起こるようになります。しかし最近では手術法が進歩しているため、こうした後遺症のリスクは減ってきています。

(2) 腹腔鏡下前立腺全摘手術
腹腔鏡下手術とは腹腔鏡と呼ばれる内視鏡で行う手術の事で、お腹を大きく切らず腹部に小さな穴を開けて手術を行うため、患者の負担が少なくてすむ手術です。
手術の際には腹腔鏡を入れるためにお腹を2~4cm切るほか、手術器具を入れる小さな穴も3~4ヶ所あけます。従来の開腹手術に比べて出血が少なく、手術後の回復も早いためにメリットの多い手術ですが、早期の前立腺がんでしか行えません。

(3) 経尿道的前立腺切除術
前立腺がんの手術といえば、根治を目指した前立腺の全摘手術が代表的ですが、がんがかなり進行して手術が行えない場合には患者のQOLを向上させるために前立腺の一部を切除する経尿道的前立腺切除術が行われます。
がんが進行して前立腺が大きくなると、尿道を圧迫して排尿障害が起こるようになります。ひどくなると尿道が塞がれて、排尿が行えなくなります。そのため、尿道から内視鏡を挿入して尿道を圧迫している前立腺を取り除き、尿がスムーズに出るようにします。

2.放射線治療

放射線を使ってがん細胞の遺伝子を破壊し細胞分裂をできなくする方法です。前立腺がんに対する放射線治療はさまざまな方法が登場してきています。前立腺がんに対する放射線治療には手術療法と同様に転移のない前立腺がんに対する根治を目的とした場合と、骨転移などによる痛みの緩和、あるいは骨折予防のために使用される場合があります。

(1)外照射法
転移のない前立腺がんに対して、身体の外から患部である前立腺に放射線を照射します。前立腺がんに対する放射線治療では放射線の総量が多くなればなるほどその効果が高いことが知られています。
この治療中の副作用としては、前立腺のすぐ後ろに直腸があるため、頻便や排便痛、出血、また膀胱への刺激により頻尿や排尿痛などが挙げられ、照射方法によっては放射線皮膚炎や下痢が生ずることがあります。

(2)密封小線源療法(組織内照射法)
小さな粒状の容器に放射線を放出する物質(アイソトープ)を密封し、これを前立腺へ埋め込む治療法です。多くは半身麻酔のもとに肛門から挿入した超音波で確認しながら、計画された場所に専用の機械を使用して会陰からアイソトープを埋め込みます。外照射法と比較して数日で治療が終了し、前立腺に高濃度の放射線を照射することが可能であり、副作用も軽度です。埋め込まれた放射性物質は半年くらいで効力を失い、取り出す必要はありません。

3.内分泌療法(ホルモン療法)

前立腺がんは男性ホルモンの影響で病気が進むという特徴があります。男性ホルモンは主には精巣、一部は副腎からも分泌されます。男性ホルモンを遮断するとがんの勢いがなくなります。内分泌療法とは、このことを利用した治療法です。

方法としては精巣を手術的に除去するか、LH-RHアナログと呼ばれている注射が使用されます。注射剤は1ヵ月あるいは3ヵ月に1度注射することで精巣の働きをなくします。また男性ホルモンががんに作用しなくする抗男性ホルモン剤という飲み薬を服用することもあります。抗男性ホルモン剤は副腎からの男性ホルモンの働きも遮断します。現在、内分泌療法の初期段階では注射あるいは飲み薬が単独あるいは、併用して使用されることが一般的です。

内分泌療法の副作用としては急に発汗したり、のぼせやすくなるホットフラッシュと呼ばれる症状が起こることが一般的です。抗男性ホルモン剤を使用した場合には乳房痛も認められることがあります。また下腹部に脂肪がつきやすく体重が増加しやすくなります。女性ホルモン剤では心臓や脳血管に悪影響を及ぼし、重篤な場合には心不全や脳梗塞などが起こることがあります。内分泌療法を施行した場合、多くの場合に性機能障害が現れます。

4.待機療法

前立腺生検の結果、比較的おとなしいがんがごく少量のみ認められ、とくに治療を行わなくても余命に影響がないと判断される場合に行われる方法です。PSA値を定期的に測定し、その上昇率を確認します。PSA値が倍になる時間が2年以上と評価される場合にはそのまま経過観察で良いのではと考えられています。

【6】再発

再発を確認する検査としては現在、PSA値の推移を確認していくことが一般的です。手術のあとも内分泌療法を継続しているなど、併用療法のない場合には、PSA値の上昇は再発の最初の兆候として現れます。
PSA値に関しては時に誤差がでることがあり、手術療法のみを受けたあとでは一般的にPSA値が0.2ng/mlを超えると再発の疑いがあると考えられています。

また放射線治療のみを受けたあとでは1.0ng/mlを超えると再発の疑いがあるとされています。手術あるいは放射線治療の後、併用療法を施行されている場合にはこの定義はあてはまりません。
内分泌療法を施行していてPSA値が上昇した場合あるいは臨床的再発をした場合には再燃と呼ばれ、この場合には内分泌療法の種類を変更したりします。

【7】生存率

前立腺がんの予後は、全身状態、年齢、病期およびがん細胞の性質、さらには選択された治療法などにより決まります。全体として前立腺がんは進行が遅く、10年生存率はそれぞれ、前立腺内に限局している場合で手術療法を施行された場合、90%以上、放射線治療が施行された場合80%以上が期待されます。内分泌療法単独の場合にはそれ以下となります。
遠隔転移のある前立腺がんは転移のない前立腺がんと比較すると予後不良で5年生存率は20~30%となっています。

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